B-bizジャーナル

イノベーター湯 Vol.30 円城寺 健悠 さん(アーキビスト)

別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。

湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。

 

第30湯目は、円城寺健悠さん(アーキビスト)にお話を伺ってきました。


円城寺さんは2020年10月に行われた「ONE BEPPU DREAM AWARD 2020」のファイナリストでもあります。

 


アーキビストとは?


アーキビストとは、保存価値のある情報や資料を収集・整理・保存・管理し、閲覧できるように整える専門職のことです。アーキビストの扱う情報は、写真・ビデオ・録音・手紙・書類など様々ですが、私の場合は、主に写真を取り扱っています。地元の方や郷土史を研究されている方が保持している写真を収集します。昔の写真を持っている方も、何気ないタイミングで写真を捨ててしまったりすることが多いので、そこで私が入らせていただくことで、写真の活用法や保存の仕方を伝えたりしています。

歴史資料のコンサルティング・コーディネートのような形で、どういう風にしたら歴史資料を活用できるのかというところにアプローチをしていくのですが、展覧会をしたり、資料提供をしたり、活用の仕方は様々です。今と昔の違いを何となくでも感じ取ってもらえるように、写真につけるキャプションなども自分で考えています。

 

アーキビストになろうと思ったきっかけは何ですか?

小学校3~4年生くらいの時に、祖父が戦争体験を話してくれたことが大きなきっかけでした。祖父がその時に、「負の歴史だからこそ人々の記憶に留め、残していってほしい」と言っていたことが自分の中ですごく印象に残っており、そこから歴史に興味を持つようになりました。


高校2年生の秋、大学を決める時に「自分は将来何がしたいのかなぁ」と考えてみた時に、祖父の言葉が心に留まっていて、歴史学の中でも全国に先駆けてアーキビストの養成課程を設置した大学である別府大学に入学することを決めました。アーカイブズというのは歴史を残すことで、歴史価値のある記録の収集や保存などについて、またそれらの資料を未来に残すため、活用するにはどうしたら良いのかというのを学ぶ歴史学から派生した学問です。

 

アーキビストとして写真を通して伝えたいことは何ですか?


写真の中で昔と今を比較した時に、昔はあったけど今はない建物とか、逆に変わってない道の姿だったり、そういうところを比較してみてほしいです。そうすることで、過去を通して今を見つめ直し、未来を構想するような感じで見てもらいたいです。若い人たちの中には歴史に全く興味の無い人が多いと思いますが、歴史は色々なことが重なりあってできているので、人々の生きた記憶や想いを感じて欲しいと思います。

2021年2月に開催された「紡ぐ、鉄輪展。」に出展された円城寺さんから、過去の鉄輪と現在の鉄輪の比較を写真を通して説明してもらいました

 


過去があっての今であり、今があっての未来なので、「過去を知らずして今を語れない」と私は思っています。目の前のことや将来のことについて考えがちなところを、たまには振り返って考えてみるきっかけになってくれたらいいなと思います。そして、歴史を少しでも面白いなと感じてくれると嬉しいです。アーカイブズを歴史を楽しむための一つのツールとして、それに対する価値を見出していきたいです。

 

 

別府のどういうところに魅力を感じますか?


一番別府らしさを感じるところは、鉄輪エリアです。北浜や浜脇エリアよりも開発されておらず、建物や通りなどが昭和のころからそのまま残っているところが多いのかなと思います。根本が変わっておらず、景観が良いというのはアーカイブズの資料としてすごく貴重なものです。


別府は遊び心があって、レトロな雰囲気があるし、路地裏など面白い場所がたくさんあるので、最初は大学を卒業したら地元に帰ろうかと思っていましたが、今では別府という町の虜になっています。

 

 

今後、どういう風にアーキビスト活動を続けていきたいですか?

私が集めた歴史資料やアーカイブズの作品を、もっと色々な方向に活用していきたいです。VRなどのデジタルコンテンツを『縦の旅行」と称して、時間軸での観光に活かせるのではないかと考えています。資料を集めて発信していくことも続けていきたいです。
鉄輪のチャレンジショップ「スクランブルベップ」では、初めて別府で集めた資料を公開する場として写真展「鉄輪の記憶」を行い、すごく手応えがありました。1ヶ月で150人程の来場者の方が足を運んでくださって、テレビや雑誌などの取材も受けさせていただきました。

 

将来の目標は何ですか?

私は将来、大学院まで進学したいと思っています。博士課程までアーカイブズのアカデミックな部分を勉強しつつ、自分の活動を収益化できたら良いなと思っています。歴史資料の活用や収集をし、企業の方に提供をしたり、アーカイブを日常の中で、活用できるような仕組みづくりをしてみたいです。現在の活動の中でも、まちづくりなどの過程において、歴史資料の収集の依頼などはたまに頂くことがあります。こういった形で、色々なコンテンツと掛け合わせ、フリーランスのような形態で、アーキビストとして活躍していきたいなと考えています。また、別府に資料館のような人が集まる場所を作るというのも一つの大きな夢です。自分が収集した歴史資料を展示しながら、人が集まってくるような場所を作ってみたいです。

 

編集後記

円城寺さんは、佐賀県の出身で、現在は別府大学でアーカイブズについて勉強されています。歴史を残していきたい、その面白さを伝えたい、という彼の熱い想いが伝わってくるインタビューでした!

 

円城寺健悠さん紹介SNS

Twitter:https://twitter.com/kenyu_enjyouji/

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インタビュアー:清水琴未(立命館アジア太平洋大学4年)

TEL 0977-76-5205
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